生きている間が花 堂々と生きていこう
セーフティーネットにつながるまでは面倒で複雑で屈辱的なことに遭遇しますが、どうか諦めないで、粘り強く交渉してください!
ー コロナ禍で利用できる生活困窮者自立支援制度、生活保護について ー
この老人、実は40歳ころに独立して相談業を営んでまいりました。細々ともう25年くらいになりますか?最初は行政書士で独立し、宅建、ファイナンシャルプランナー、社会福祉士、臨床心理士、公認心理士という順番で資格を補充してきました。このように書けばたくさんの資格を持っていることを誇っているように聞こえますが、自分の意識としてはその逆で、例えば父親やおじいさんが偉ければ周りはその息子や孫まで偉いような錯覚に陥るというのがいわゆるハロー効果というやつなのですが、こいつはこれだけ資格を持っているのだから優秀な奴に違いないと思われて仕事がウハウハ来ることを狙った狡猾な戦略なのですが、結果としては老人の能力のなさ、いいかげんさ、飽きっぽさ、協調性のなさ、切れやすさ、見通しのなさ等々ないものはいくらでもあげることができますが、それらのためにその戦略はうまくいかずに今に至っておる次第であります。大体裸一貫自分の力だけで生きていける自信のある人は資格なんかは取りませんよね、取るための時間がもったいないので。ですからこの老人の言うことはあまりあてにならないかもしれませんが、相談屋を名乗っている限り少なくともうそはつかないということだけは鉄則にしてまいりました。ただ細部まで調べながら書きすすめるわけではありませんので、細かい間違いはあるかもしれませんが、大まかなところを理解していただければ幸いです。前置きが長くなりましたが、生活に困った場合はどこに行けばいいのか、またどのような心持で交渉に当たればいいのかということを気が付く範囲で書いていきたいと思います。
現今のコロナ禍で生活に行き詰ってしまった方、この先どうして生きていけばよいのか途方に暮れていらっしゃる方もたくさんいらっしゃるかと思います。実はリーマンショックの後数年間有志で相談会を開いていたのですがその時相談に来られた方の大半が財布の中に100円くらいしか入ってない、米もあと2~3日しか残ってない人達が大半でした。そうなると相談している暇はない、今を乗り切るためには現金が必要、貸してくれるのなら高利でも仕方がない、背に腹は代えられないという状態になってしまいます。ですから相談される場合は余裕をもった状況で相談されることをお勧めします。
次にどう行動すればよいのかを見ていきましょう。
①ハローワークへ行って「求職者登録」を済ませる
この時世に仕事を探しても仕事などあるわけじゃないかと思わないでください。
まず求職者登録を済ませておかないと、以下説明するところでこれを済ませてから
もう一度来てくださいということになり2度手間になるのです。また仕事を探して
いる方は求職者ですから今まで自営業者だったので失業保険を掛けていないとかこ
こしばらく仕事をしていないとかは関係ありません。またハローワークはどの都市
でも行きやすいところにあると思いますのでまず最初に行っておきましょう。
②居住市の社会福祉協議会へ行く
ここで「生活困窮者自立支援制度」を利用したいと言ってください。もちろん生活
に困っているから相談に来たでもいいですが、制度の名称を告げるとこの人は調べ
てきているぞと、対応が少し丁寧になるかもしれません。
(少額貸付金・給付金制度として)
・総合支援資金 ・臨時特例つなぎ資金 ・住居確保給付金
(相談制度として)
・生活困窮者支援制度
※くわしい説明ははぶきますがこれらの支援制度が利用できます。
・求職者支援制度
※またハローワークに戻りますが、もしまだ少し手持ち資金に余裕がある方はこの
際この制度を利用して職業生活を見直してみるためにも、数か月間月10万円程
度の給付金を受けながら職業訓練を受けるという方法もあります。
④「サポステ」、「チャレンジネット」なども年齢制限などはありますが、利用できま
す。
⑤市の「生活保護」の利用
本当はここに最初に行ってもいいのですが、たいていの場合にはまず社協に行って
くださいと体よく断られます。ですから社協に行って相談したが結果こうだったと
説明する方が効率がいいのです。生活保護は最後のセーフティーネットだといわれ
ておりますから憲法で保証する「必要で文化的な最小限の生活」ができなくなった
場合には堂々と申請してよいはずの制度です。しかしながら現状では窓口で以下の
ことを確認され、それらに該当すればあなたは無理だということで追い返されま
す。例えば自動車の保有、不動産の保有、借金がある、資産が一定程度ある(市に
よって違いますが10万円から30万円くらいです)。これらのことがクリアーで
きなければ保護に結びつかないのです。
⑥交渉にあたっての心構え・方法
では相談窓口での具体的な交渉についてみていきましょう。
1.冷静に話すこと
相手はいろいろなことを聞いてきます。時にはカチンとくるようなことも言いま
す。こちらは困っているから相談に来たのにその態度はなんだと思える相談者もい
ます。それでも最後まで冷静に対処しましょう。相手に嫌な奴だと思われると教え
てもらえる情報も遮断されてしまう可能性もあります。
2.相手と対等だと思い堂々としていること
大半の方がそうなのですが、今の生活に困っておられすぐにでもなんとかしたいと
思っておられますので頭を下げてなんとかしてもらおうと思うのか必要以上にペコ
ペコされます。そうしていると相手も人間ですから上下関係のような気持になって
くるものです。
3.包み隠さずオープンにする
何度か足を運びとうとう受給が決定という段になって実は借金があります、車を持
っていますというような話がよくあります。そうなるとまた最初からやり直しです
ので相談者の気持ちが萎えてしまいます。隠そうと持っても隠し切れないので最
初からオープンにするという気持ちで臨む方が結果的にはうまく運ぶでしょう。
4.メモを取ること
こちらは慣れないので交渉ごとに夢中になり後で考えると何を言われたのか覚えて
いなかったり、自分のどの点が給付上の問題となっているのかを忘れてしまうこと
もよくあります。それらを防ぐためにも必ずメモを取りましょう。
5.何回も足を運ぶことを覚悟しておく
1回や2回では成立しませんので、諦めずに何度も足を運びましょう。
6.同行者と行く
親、友達、知人だれでもいいですのでできれば一緒に行って立ち会ってもらえる人
と一緒に行くと話が進みやすいこともあります。相談者、被相談者ともに冷静にな
りやすいからでしょう。
最後に窓口に行くと、相手は慣れているので事務的なことを淡々と聞きますがその態度に腹が立ってしまうことがよくあります。それは我々が冷静さを欠いているのでしょう。担当者はできれば何とかしてあげたいと思っている人がほとんどだと思います。ですから自分の気持ちを隠さずに、落ち着いて交渉してください。