カウンセリングあるいはミュージックレッスンそしてお金

カウンセリングとミュージックレッスン

 この老人もすでによわい65を超えておるので身体中のあちこちが痛いわけである。寝る前や起きた後は特に肩のあたりや首回りがちくちく針が刺さったように痛いので老人になれば誰もおなじなのかと思い、わが老妻に聞いてみたところ腰が痛くなったりすることはあってもチクチクはしない、まあ今までの行状のせいではないかというので、それもそうだと思い長い間ほおっておったのじゃが、とうとう我慢ならないところまで進行してしまったので鍼灸治療でも受けようと思い立ちホームページを探してみた。田舎のことであるから数は数えるほどしかないのじゃが、適当にアクセスしてみるとなんと一回8000円とか9000円とかしておるわけじゃ。それで驚いたわけじゃが、小生生まれながらのまじめな性格と見えて、そこでちっと立ち止まって考えたわけなのである。小生の生業といえばカウンセラーということになるわけだが、カウンセリングだけでたとえほそぼそとでも食べていこうと思えば、当然料金を設定しなければならない。ではいくらくらいに設定すればいいのか?どこの馬の骨ともわからないものにだれがカウンセリングなど受けるのかという疑問はとりあえず脇に置いておくことにしても、高ければ来てもらえないくらいのことは小生でも分かっておる。では安ければ来てもらえるのか?バナナのたたき売りのように最初は高く設定して、来てもらえなければだんだんと値段を下げていくか?値段よりなによりカウンセリングってホントのところ効果はあるのか?誰だったか偉い先生がクライエントの7割だったか8割だったかは、カウンセリングの力ではなく自分の力で治っていった、つまりなになに療法の力で回復してのとは違うという研究がアメリカであるといってたな。来談者中心療法とか認知行動療法で私はこのように立ち直りましたというものではない、などと考えておるうちに面倒くさくなり、スクールカウンセラーでもやっておると一定の収入は入ってくるのでそれでいいかとなってくるわけだ。でもしかSCというわけだ。これでカウンセリング業界も敵に回したな。値段の話はまだ続くが、安くなければ来てもらえないとして50分1000円ではどうだ。それだともし一日に5人きてくれても一か月休みなく働いたとしても月15万円にしかならない。プロ中のプロというカウンセラーも中にはいるだろう。まあその場合は50分うん万円などという人もいるだろう。それに比べると音楽家のレッスンなどは全く割が合わないのではないのか?特にマイナーな楽器、クロマティックハーモニカなどはその最たるものだが、大体の相場が50分6000円前後のようだが、これでは全く合わないのである。だって人を教えるレベルになるまでにはどれだけの時間とお金を使ったことだろう。カウンセラーと比較すると明らかだが、カウンセラーになるための資格はいらないが、臨床心理士くらいは持っておきたいと思って大学院に行ったとする。そこの授業料が年間100万円なら2年で200万円、まあもろもろで400万円くらいかかったとしてもそれだけの話である。そこでやることといえばカウンセリングはこうしてやるのですと手取り足取り教えてくれるわけではない。そうなればなったでうるさいだけだ。カウンセリングなど教えられるものではないのだ。と河合大先生もいわれておる(それなら大学など作らなければいいのにというような意見もあるわけだが)。資格を取ってしまえばはいさようなら。自分がどんなカウンセリングをやっているなどということは相手以外はだれも知らないのだ。プロの音楽家はそういうわけにはいかない。ベートーベンに資格などはないのである。というわけで音楽家は偉いなあということを言いたかったのである。いまライブハウスがしまっていて大変な苦労をされておられると思うが、どうか心を折らないでいてくれることを祈るばかりじゃ。